みらいハイスクール

高校生同士 感動や不満を吐き出しあう心地の良い時間
島根県立島根中央高等学校 川越さん

 

島根県立島根中央高等学校(以下、島根中央)に通う、川越椿生君( 以下、川越君)は埼玉県から地域みらい留学の仕組みを利用して、島根中央に進学しました。高校 1 年生の時に山形県遊佐町への地域みらい旅にチャレンジした川越君は、高校 2 年生になった今年、地域みらい旅の受入れプロジェクトに積極的に参加しています。川越君がどのような思いで地域みらい留学に挑戦し、地域みらい旅を通して何を得たのか、話を聞いてみました。

 

自分にはない新しい考え方と日々出会えるようになった

 

―地域みらい留学に挑戦しようと思った背景を教えて下さい。

 

高校進学を考えたときに、旅が好きだったこともあって、遠くに行ってみたいなと思っていたことがそもそもの背景としてあります。そんなときに、たまたま地域みらい留学を見つけて、挑戦してみたいなと思いました。地域みらい留学にはたくさんの学校が選択肢としてありますが、島根中央は県外生の受入れも多く、色んな地域から人が集まることに魅力を感じて島根中央を選びました。高校生活では、今年から本格的に活動を開始した新聞部の取組に力を注いでいます。

 

―ここまでの留学生活で自身に変化を感じることはありますか。

 

まず何より感じることは、川本町での地域社会やコミュニティは良い意味で“狭い”ということがあります。志を持って、チャレンジする地域の人たちと繋がりやすいと感じているんです。色んな人と繋がることができたり、話をすることができるので、自分にはない新しい考え方と日々出会えるようになりました。このことによって、視野が広がったと感じますし、人についてもっと知ろうと思ったり、周りを見る力がついたのは自分に起きた成長だなと感じます。もし、埼玉にいたままだったら、家と学校の行き来だけになっていて、こんな成長は得られなかったとも思います。

 

あと、寮生活もとても刺激的で楽しくて、衝突が起こることもあるんですけど、そこもひっくるめて良い経験だなと思います。実家を一人で出て、親に年に数回しか会わなくなったことで、程よい距離感になり、以前より関係性が良くなったとも感じているんです。親からは「強くなったね」とか「生きる力がついてきたんじゃない」とも言われます。

 

 

地域社会の繋がりからは、都市圏では得られないものが多く得られる

 

―では、1 年生の時に地域みらい旅に参加した経緯を教えてくれますか。

 

学校の先生から案内があって、知らない地域に行くことができるのはいいなと思ったことと、島根中央以外に地域みらい留学の受入れを行っている学校を知ることができることも興味深いなと思って参加することにしました。選んだのは、山形県遊佐町のプログラムで、川本町よりも物理的に開けていて、地域の人たちのエネルギッシュさを肌で感じました。人との対話や自然の中での活動を通して「豊かさ」を考える旅で、物質的ではなく、毎日ご飯・味噌汁・漬物だけでも最高な状態でいられるような「豊かさ」に着眼して日々を過ごしました。

 

―そんな旅を経験した川越君にとって、高校時代における越境経験の価値って何だと思いますか。

 

中学のタイミングでの越境というのは、やっぱりまだ本質的なことってわからないと思うんですよね。一方で、大学進学の前に越境を経験できることは刺激的で吸収できるものも多いと感じています。越境経験が、その後の進路選択にも影響を与えていくのではないかなと思います。地域社会の繋がりからは、都市圏では得られないものが多く得られるんです。志を持っている大人がすぐ周りにいる環境に飛び込むことで、その後の人生において、何らかの価値にきっとなっていくと思います。

 

 

高校生同士で、みら旅で感動したことや不満に思ったことなどを吐き出し合う時間が居心地よかった

 

―今年は地域みらい旅の受入側としてのプロジェクトにも積極的に参加されているみたいですね。

 

島根中央や川本町に色んな人に来てほしいなという思いからの参加でした。楽しそうという軽い気持ちの部分も少しあった気がしていますが、企画している中で、人と歩調を合わせて企画していくことの難しさも感じました。また、自分たちの中では「これで大丈夫だな」と思っていた時に、伴走してくれているコーディネーターの方から「本当にそれでいいの?」という問いをもらったりしました。その一言があったからこそ、もっとやれることもあるかもしれないと、旅の企画を深めながら創り上げていくことができたと思っています。難しさもあった分、出来上がったときには達成感も強く感じたんです。。

 

―実際に受入をしてみてどんなことを感じましたか。

 

1つのプロジェクトを仲間たちやコーディネーターと推し進める貴重な体験ができたことで、本当に達成感でいっぱいです。2 日目の夜に、高校生同士で、みら旅で感動したことや不満に思ったことなどを吐き出し合う時間があり、それがとても新鮮で居心地がよく、印象に残っています。こうした経験を通して、今後もたくさんのプロジェクトに挑戦してみたいなと感じるようになっていて、ここ最近は、繋がりづくりのイベント「堤防で寝そべる会」の企画を他のメンバーや友達と協働して進めています。こんな経験ができる、島根中央や川本町を進路に選んでよかったなと思いますし、中学生には進路の選択肢のひとつとしてここをぜひ考えてもらいたいです。

 

(取材・編集 一般財団法人地域・教育魅力化プラットフォーム 小谷祐介)

 

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