みらいハイスクール

「行動することが大切 少しずつやったら私にもできる」
大阪府立豊中高等学校 能勢分校 心里さん

 

 大阪府とは思えないほど自然豊かな能勢町に立地する大阪府立豊中高等学校 能勢分校(以下、能勢)に通う宮崎心里さん(以下、心里さん)。みらいハイスクール共創校の生徒として、一般財団法人地域・教育魅力化プラットフォームと株式会社プログリットが協働実施した「地域みらい旅in東京(※1)」と「英語ステップアッププログラム(※2)」に参加しました。英語を学び、英語を使って海外へ飛び立つことを狙いにしてきたこの両プログラム(※3)で、心里さんはどのような経験をしたのでしょうか。参加したきっかけや変化したことなどをお聞きしてみました。

(※1)「地域みらい旅in東京」のレポート記事はコチラ

(※2)プログラム概要はページ下部に記載

(※3)本プログラムは経済産業省「未来の教室」実証事業2024の一環として実施

 

 

▶海外で活躍することへの憧れがあった

 

―今回は英語のプログラムに約半年間参加してもらいましたが、もともと英語は好きでしたか。

 

心里さん 英語については、もともと関心はあって日常的に喋ることができるようになりたいなという思いはありました。中学生の時にスキルマーケットサイトを活用して、オンラインで英会話を少し学んでいたんです。そこで教えてくれていた方が海外で活躍されていることを聞いて、憧れのようなものがあったと思います。

 

―オンラインで学んでいたということですが、周囲に塾や英会話スクールはないのでしょうか。

 

心里さん 能勢町には高校生が英語を学べる塾は少ないんです。自然豊かで良いところではあるのですが、塾や英会話スクールに行く場合、車で30分かけて駅・町の方面にでないといけません。英語を頑張りたいなと思っても、頑張り方がわからずに学ぶことが嫌になっていた時期もありますね。

 

 

▶色んな価値観に触れ、もっと挑戦したいと思える2日間

 

―そんな中、まずは「地域みらい旅in東京(以下、みら旅)」の案内があったと思いますが、案内を見たときすぐに参加しようと思ったのでしょうか。

 

心里さん 正直なところ、すぐに参加しようとは思いませんでした。当初は「ああ、そんなプログラムがあるんやなぁ」程度で。人見知りということもあり、他校の生徒も参加する企画ならば応募することはないかなと。でも、先生がすごくおススメしてくれたので、思い切って応募してみようと思いました。応募して、まさか通るとは思っていなかったので、参加決定のメールが来たときは驚きましたが(笑)。

 

―実際に参加してみて、印象的だったことはありますか。

 

心里さん 沢山あります。その中でも特に印象的だったのは他校の生徒と交流できたことです。東京のドルトン東京学園(以下、ドルトン)の生徒が、海外留学の経験をプレゼンしてくれました。プレゼンがとてもわかりやすく、キラキラしていて、自分も留学に行ってみたいと思えたんです。ドルトンの生徒みんなが「迷いや不安もあると思うけど、とにかくまずは行ってみてほしい」ということを何度も言ってくれたことは心に残っています。とにかくまずは行ってみないと始まらないなって。

 

―今回のみら旅では、プログリットはじめ多くの大人・社会人もサポートしてくれましたが、どんな刺激を受けましたか。

 

心里さん プログリットの皆さんからは、実際の海外での経験を沢山お聞きできました。中には留学として行くか就職として行くか悩んだと仰っていた方もいて、それでも結果として行って良かったと言われていたのは印象的です。勇気を持って、“行ってみる”ということが重要なんだなと感じました。また、日本とは全然違う文化に関するお話は、海外経験をした方だからこその言葉で、自分もその経験してみたいとより強く思えるようになりました。

 

―この1泊2日間のみら旅で、自身に何か変化や成長は感じますか。

 

心里さん 2つあります。1点目は、他のこうしたプログラムにも積極的に参加してみたいと思えるようになったこと。旅に参加するまでは、緊張もあって参加するのが怖かったんです。でも、実際に行って他校の生徒や大人の皆さんと交流してみると、色んな価値観をインプットでき、得るものがとっても多くて!こんな経験ができるのなら、もっと挑戦したいと考えられるようになりました。

2点目は、自分の町に対する思いが変わったことです。参加していた生徒のかなには、中学校の時までは東京で過ごしていたけど、高校から地域に飛び込んで学んでいる地域みらい留学生がいて。その生徒が今住んでいる町のことを、深く理解して、楽しそうに話している姿を見て、「自分の町を知って、語れるようになるのってステキだな」と感じました。能勢町の良いところをもっと見つけて、そして人に伝えていきたいですね。

 

 

▶少しずつでもいいんやったら、私にでもできる

 

―みら旅の後のステップアッププログラムにも参加されましたね。

 

心里さん プログリットの社員の方が、このプログラムに参加して3ヶ月間一緒に頑張れば“むっちゃ変われるよ”って言ってくれたんです。その言葉でもっと英語のスキルを伸ばしてみたいと思うことができて、参加を決意しました。

 

―アプリ活用を中心にしたスピーキングスキル向上のプログラムでしたが、やってみてどうですか。

 

心里さん アプリでは、自分が発話した英文をAIが判定してくれます。自分ではしっかり発音できているつもりでもちゃんと発音できていないこと、この英文でも伝わるんだなというようなことがわかって面白いです。アプリやオンラインでの学びにやりづらさは全然感じません。

 

―プログリットの講師から定期的なグループコーチングを受ける機会もありましたね。

 

心里さん オンラインコーチングでは、一緒にみら旅に行った全国の仲間と振返りをしたり、プログリットの方に話をしてもらったりしました。自分一人では心が折れてしまうこともあるけど、みんなも一緒に頑張っていると思うと、自分もやらなきゃって思える理由になると感じています。

そして何より心に残っているのは、プログリットの方の言葉です。コーチングの時に、「単語帳をペラペラめくるだけでもいいんだよ。行動することが大事だから。5分でもいいから行動してみよう。」と言ってくれました。私にとっては凄く救いになる言葉で、「単語帳を開くだけでもいいんや!それやったら私でもできる」と考えられるようになったんです。

 

―この数ヶ月、英語の学習を続けてきて、スキル面で成長を感じますか。

 

心里さん 劇的に英語を話せるようになったとかではありません。でも、外部模試のリスニングの時に今までよりもわかる単語が増えてきて「こういうこと言ってるんやろな」って予測できるようになってきたことには自分の成長を感じます。成長実感があるからこそ、このプログラムが終わっても、ここまで頑張ってきたことを止めたくなくて、スキルアップを続けていきたいです。

 

 

 

―今後のビジョンはありますか。

 

心里さん 漠然としていますが、海外とかかわる仕事を目指したいなと思います。そのためにも、留学を一度は早くに経験してみたい。現地の方と沢山コミュニケーションが図れたり、文化交流ができるような留学プログラムを見つけて、参加してみたいと思っています。

日々の習慣の中にも変化があって、今までバスの待ち時間はYouTubeやSNSを見ることに費やしていたんですけど、最近はこうした隙間時間に単語帳や英語のアプリを開くようにしています。こうしたちょっとした習慣も続けていって、目標に少しでも近づくことができたらなって思います。

 

―頑張ってくださいね。今日はありがとうございました。

 

心里さん はい!頑張ります。こちらこそ、ありがとうございました!

 


 

<プログリット 名古屋校舎長 松見さんのコメント>

心里さんの向上心や、質問を通じた気付きと次の行動への活かし方が素晴らしかったと思います。
心里さんをはじめ、参加してくれた高校生の皆さんの学ぶ意欲や挑戦する姿勢に刺激をもらい、私自身も成長し続ける大切さを実感しました。
今回の体験を通じて、英語だけでなく「学び続ける力」を身につけられていると思うので、これからもさまざまな挑戦を楽しんでほしいと思います。

 

<大阪府立豊中高等学校 能勢分校 准校長 菅原先生のコメント>

約半年間、とても充実した、また贅沢な学びをさせてもらったんだと思います。取材を受けている表情や言葉もどこか生き生きとした雰囲気が伝わってきました。これを機に、英語はもちろん、その他の学習などももっと頑張ってくれるようになると嬉しいですね。そして、こうした姿に刺激を受けた周囲の生徒もどんどんチャレンジをしてくれるようになればよりステキなことだなと思います。

 

<実証2:『企業連携型の通信制授業を活用した公教育における「伸ばす学び」の実現』の実証責任者 小谷祐介のコメント>

取材をした時の心里さんの生き生きとした表情と言葉が、このプログラムの何よりの成果だと感じます。この数ヶ月間でかかわってくれた企業や他校の皆さんのことを思い返しながら、丁寧に言葉を紡いでくれた姿はとても印象的です。

一方で彼女の取材では、地域の高校生にとっては塾や英会話スクールのような学びの場は当たり前には存在しないという、日本の地域課題も改めて突き付けられました。私たちは“どの地域に生まれても、自分の学びたいことや環境は選ぶことができる”そんな社会を創っていかなければならないと強く思います。また、生徒に対しては、“どこで生まれても、どんどんチャレンジしてみていいんだよ”というメッセージを送り続けたいです。

これらのためにも、各領域で専門的な知見をもつ企業の皆さんのリソースは貴重であり、連携は必要不可欠。プラットフォーマーとして、一緒に日本の新しい学校教育を創って下さる“仲間”を今後も見つけていきたいと考えます。

 


 

<今回のプログラムの全体像>

 

<プログラム全体 協働実施企業>

  • 株式会社プログリットのオフィシャルサイトはコチラ

 

<地域みらい旅in東京 協力企業・団体>

  • ドルトン東京学園中等部・高等部のオフィシャルサイトはコチラ
  • テンプル大学のオフィシャルサイトはコチラ
  • NTT e-City Laboのオフィシャルサイトはコチラ

 


 

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【関連リンク】

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  • 大阪府立豊中高等学校 能勢分校のオフィシャルサイトはコチラ

 

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